お役立ち情報

2026.10.06

発達障害の子が同年代を苦手にするのはなぜ?大人や年下とは遊べる子の特徴

「大人とはよく話せるのに、同年代の子とは遊べない」

「年下の子とは楽しそうなのに、クラスでは一人でいることが多い」

「先生とはたくさん話せるのに、友達になるとうまくいかない」

こんな様子があると、

「コミュニケーションが苦手なのかな?」

「友達が嫌いなのかな?」

「このまま友達ができなかったらどうしよう」

と心配になることがあります。

でも、

大人や年下とは関われるのに、同年代との関係だけ難しい

という子は珍しくありません。

なぜでしょうか。

実は、同年代との関係には、大人と話すときよりもずっと多くの力が同時に必要になります。

今回は、発達障害・発達特性のある子が同年代を苦手にする理由を、具体的に見ていきます。

大人との会話では、大人が合わせてくれている

大人と子どもが話すとき、多くの場合、大人の方が子どもに合わせています。

例えば、

・返事が出るまで待つ
・分からなければ言い換える
・子どもの好きな話題に合わせる
・話が飛んでも意味をくみ取る
・困っていたら助け舟を出す

といったことを自然にしています。

そのため、大人との会話では困らない子でも、

同年代の友達同士になると急に難しくなることがあります。

子ども同士では、相手も自分の話をしたいからです。

同年代との遊びは、とても忙しい

例えば、3人で鬼ごっこをしているとします。

そこに参加するだけでも、

「今、何をしているのかな?」

「入ってもいいかな?」

「誰に聞けばいいかな?」

「今声をかけてもいいかな?」

「ルールは何かな?」

と考えなくてはいけません。

入った後も、

「今度は自分が鬼」

「そこはなしだよ」

「やっぱり別の遊びにしよう」

と、遊びはどんどん変化します。

つまり同年代との遊びでは、

相手を見る・聞く・考える・待つ・譲る・切り替える

といった複数の力を短時間で使っています。

理由① 遊びの「暗黙のルール」が分かりにくい

遊びには、説明されないルールがあります。

例えば、

「今日はこの辺までが鬼ごっこの範囲」

「この子は小さいから少し手加減する」

「さっきまでのルールはもう終わり」

などです。

発達特性のある子の中には、

決められたルールは理解できても、

その場で変わるルールや暗黙の了解

を読み取ることが苦手な子がいます。

本人はルールを守っているつもりなのに、

周囲からは、

「自分勝手」

「空気が読めない」

と思われてしまうこともあります。

理由② 遊びに入るタイミングが分からない

本当は一緒に遊びたい。

でも、どう入ればいいのか分からない。

そんな子もいます。

友達の近くをウロウロする。

急に遊びに入る。

いきなりおもちゃを取る。

突然、自分の話を始める。

こうした行動も、

「一緒に遊びたい」という気持ちの表れ

かもしれません。

この場合、

「勝手に入らない!」

と注意するだけでは不十分です。

「一緒にやっていい?」

「次、入ってもいい?」

など、実際に使える言葉を教える必要があります。

理由③ 自分と相手の「やりたいこと」を調整するのが難しい

友達との遊びでは、

いつも自分のやりたいことができるわけではありません。

自分は電車で遊びたい。

相手は鬼ごっこがしたい。

自分は青がいい。

相手も青がいい。

こうしたとき、

譲る。

交代する。

相談する。

別の方法を考える。

といった調整が必要になります。

「自分の思いを伝える力」だけでなく、

相手の考えを取り入れる力

も必要なのです。

理由④ 会話のスピードについていけない

大人は子どもの返事を待ってくれます。

しかし子ども同士では、

「これやろう!」

「やっぱりこっち!」

「次これ!」

と、話がどんどん進みます。

考えているうちに話題が変わる。

答えようと思ったときには、みんなが移動している。

そんなこともあります。

言葉の理解や返答に少し時間が必要な子にとって、

同年代の集団はかなり忙しい環境です。

理由⑤ 相手の気持ちを見る余裕がなくなる

友達との関係では、

「自分が何をしたいか」

だけでなく、

「相手がどう思っているか」

も見なくてはいけません。

相手は楽しそう?

嫌そう?

もうやめたい?

まだ遊びたい?

自分のやりたいことに集中すると、相手を見る余裕がなくなる子もいます。

これは単純に、

「思いやりがない」

という話ではありません。

相手を見ること、状況を見ること、自分の気持ちを調整することを同時に行うのが難しいのかもしれません。

なぜ年下とは遊べるの?

年下の子との関係では、自分が主導しやすくなります。

「これやろう」

「ここに置いて」

「次はこれね」

と、自分が遊びを決めやすい。

年下の子がついてきてくれることもあります。

つまり、

相手に合わせる量が少なくて済む

場合があります。

だから、

「年下とは遊べる=社会性に問題がない」

とも、

「年下と遊ぶ=問題」

とも、一概には言えません。

見るべきなのは、

同年代との関係のどこで困っているのか

です。

「同年代と遊ばない=問題」ではありません

ここは大切です。

すべての子どもが、大勢の友達を必要としているわけではありません。

一人で過ごすことが好きな子。

少人数の方が落ち着く子。

年齢の違う人と話す方が好きな子。

いろいろなタイプがあります。

見るべきなのは、

本人が困っているかどうか

です。

本当は友達と遊びたいのに入れない。

何度もトラブルになる。

学校に行きたくなくなっている。

仲間外れになっている。

こうした場合には、支援を考える必要があります。

家庭でできること

「友達と仲良くしなさい」

では、何をすればいいのか分からないことがあります。

もっと具体的にします。

例えば、

「一緒にやっていい?って聞いてみよう」

「今使っているから、終わったら貸してって言おう」

「あなたのやり方を1回、次はお友達のやり方を1回やろう」

というように、

実際に使える言葉や行動に変える

ことがポイントです。

また、いきなり大人数に入れるのではなく、

気の合う子と1対1。

短い時間。

ルールの分かりやすい遊び。

から始める方法もあります。

「友達が苦手」ではなく、どこで止まっているかを見る

同年代と遊べない子を見たとき、

「コミュニケーションが苦手」

だけで終わってしまうと、何を教えればよいか分かりません。

例えば、

・遊びに入る方法が分からない
・ルールの変化についていけない
・自分の話ばかりしてしまう
・待てない
・負けると崩れてしまう
・相手の嫌がっているサインに気づきにくい
・自分の希望を変えるのが難しい

どこで困っているかによって、支援方法は違います。

「できない」を細かく分けると、「何を教えるか」が見えてきます。

まとめ

大人や年下とは遊べるのに、同年代との関係だけ難しい。

そんなとき、

「協調性がない」

「友達付き合いができない」

と考える必要はありません。

同年代との関係には、

見る。

聞く。

待つ。

伝える。

譲る。

切り替える。

相手の立場を考える。

といったたくさんの力が必要です。

大切なのは、

友達を作らせることではなく、その子がどこで困っているのかを見つけること。

そこが分かれば、教えることも具体的になります。

あわせて読みたい

・発達障害の子が年下とばかり遊ぶ理由|同年代との関係で見たいポイント

・子どもが人の気持ちを理解できないとき|家庭でできる5つのトレーニング

お子さんの「どこで困っている?」を一緒に整理します

発達支援教室クローバーでは、

「友達が苦手」

「コミュニケーションが苦手」

という大きなくくりではなく、

その子がどの場面で、何につまずいているのか

を具体的に整理します。

そして、

「今、何を教えるとよいのか」

「家庭で何を試すのか」

まで一緒に考えます。

同年代とのトラブルが続いている。

本当は遊びたいのに入れない。

家庭でどう教えたらよいか分からない。

そんな場合は、一度お子さんの様子を整理してみませんか。

→ 発達支援教室クローバー「アセスメント&アドバイス」へ