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2024.08.02

「切り替え」のポイント5

発達障害の子どもは、切り替えが下手だから仕方がないと思っていませんか?
親御さんが我慢したり、キリの良いところで声掛けをしなくてはならないと苦労されていませんか?
今回は、そんな悩みを解決する教え方をお伝えいたします。

結論から言いますと、切り替えを教えるポイントは次の5つです。

1 約束や最低限のルールは守らせる

2 キリをつけられない気持ちをわかる

3 暴れても、穏やかに接し見守る

4 立ち直った、切り替えられたら喜ぶ

5 必ず成功させる

中でも1と3が最も重要です。一言でいえば、子どもは慰められる機会が多いほど、耐える力をつけられるからです。慰められるほど、心が柔軟で強くなるのですね。

一つずつ説明いたします。

1 約束や最低限のルールは守らせる

 切り替えが下手で、かんしゃくや暴れるなどがあると、どうしても子どものペースに合わせてしまいがちです。でも、そうすることでより切り替えが下手になっていきます。それだけではなく、成長して力が増すほどに切り替えは身に着けにくくなります。なぜなら、切り替えさせて暴れると、もう手が付けられなくなるからです。

 また約束や最低限のルールは、ともにいる人へのマナーとして身に着けるべきものです。ご家庭での教えが社会で生かされるので、ぜひとも教えてあげましょう。

 

 家族関係にとっても、どちらか一方が我慢し続けるというのは関係が悪くなります。健全な人間関係を家庭で学ぶところが、学べません。さらには我慢する・させる関係は、維持されるだけではなく、我慢させる側の対応がさらに激しくなる特徴があります。極論を言うと家庭内暴力です。

 少し怖いことを言ってしまいましたが、これは医師らも認識する事実です。このようなことからも、約束や最低限のルールは守らせるように教えていきましょう。

2 キリをつけられない気持ちをわかる

 キリをつけられない子どもの気持ちを感じたことはありますか?ただただ、自閉症スペクトラムの特徴だから・・・と思ってはいないでしょうか。

そうではなく、ぜひ気持ちをわかっていただきたいです。
なぜ気持ちをわかるかというと、「人は‘理解してくれた人のことを理解しようとする’から」です。

すなわち、理解しようとしてくれない人のことは一切理解しようとしません。
あなたもそうですよね?

では、どんな気持ちか考えてみましょう。

自閉症スペクトラムの子どもで、切り替えが下手な子どもはおおむね「甘え下手」です。甘え下手だと、周囲が怖くてたまらないし変化が怖くてたまりません。「同じ」にこだわって安心を確保しているのです。同じなら、大丈夫と思いますものね。

要するに、同じがいいから切り替えられないのです。怖くて切り替えられないのです。今が安心で快を得ているから。

そのことを理解したうえで、声をかけたいです。

どのような声掛けをするかというと、簡単に言えば「わかるよ、よしよし」です。たとえば、「やめるのはつらいよね、わかるよ、よしよし」です。

これで理解を示せると感じています。

3 暴れても、穏やかに接し見守る

切り替えを促すと、安心を脅かされますから抵抗します。中には暴れる子もいますし、暴言を吐く子もいます。

そんなとき、つい「やめさせよう」と考えてしまうのですが、その思いは子どもを刺激してさらに抵抗することになります。

ですから、穏やかに見守ることをおすすめします。心の中で「心配だよね、つらいよね、わかるよ、よしよし」と唱えながら見守ってください。

すると、そのうちに自分で立て直します。最初の慣れないうちには1時間かかることもあるそうですが、その後は大幅に短縮し、ついにはなくなると親御さんたちから聞いています。

4 立ち直った、切り替えられたら喜ぶ

時間はかかったけれど、立ち直った!となったら、また気持ちを理解して喜びましょう。子どもは頑張ったので、「がんばったね、よしよし」と喜んであげましょう。

子どもはお母さんに褒められる(喜ばれる)のが大好きで、実は最高のご褒美です。小学校1年生から6年生までに行った調査では、学年が上がるほど親御さんに褒められること(喜ぶこと)がうれしいと答えていました。親御さんは、どんどん喜んだほうがよさそうです。

しかも、行動を定着させるには褒めること(喜ぶこと)であり、しかることは逆に定着しないとの心理研究結果があります。

定着させたいなら喜んだほうが良いですね!

5 必ず成功させる

切り替えやおしまいは、とても難しいので、親御さんの手を借りなくてはできません。魅力の強いものだと、自力で切り替えるのは難しいですよね。

よくある失敗例が、ゲームの時間の約束を守れなかったからゲームを取り上げるという指導です。これ、成功した試しがありません。

では、どうするかというと、無理やりでも約束を守らせることです。慰めながら守らせます。

そして、4を行えば必ず守れるようになります。

これらが切り替えをスムーズにさせる5つのポイントです。

いかがでしたでしょうか。

最初は大変かもしれませんが、発達支援教室クローバーにかよってくださる親御さんたちが実践してくださった結果、全員が子どもの切り替えを学ばせるのに成功しています。

「子育てが楽になった」と言ってくださっています。

あなたも、ぜひお試しください。