2025.12.17
子どもの共感性は、段階を経て発達していきます。以下に、一般保護者向けにわかりやすくまとめた10段階の発達表を示します。
この時期のようす
ポイント 赤ちゃんは生まれてすぐから、人の顔に興味を持っています。まだ「相手の気持ち」はわかりませんが、人と関わる準備が始まっている時期です。たくさん顔を見せて話しかけてあげましょう。
この時期のようす
ポイント 表情から「なんだか違う」と感じ取れるようになってきます。楽しい顔・怖い顔の区別ができるようになる大切な時期です。笑顔でたくさん関わりましょう。
この時期のようす
ポイント 親の「嬉しい」「ダメ」などの感情を声や表情から読み取れるようになります。褒められると喜び、また同じことをしようとします。相手に合わせようとする心の芽が育ち始めています。
この時期のようす
ポイント 「これをしたらお母さんはどうするかな?」と相手の反応を予測して行動できるようになります。お手伝いをしようとするのも、相手に喜んでもらいたい気持ちのあらわれです。
この時期のようす
ポイント 「自分」と「相手」が別々の存在だと気づき始めます。だからこそ**「貸してあげる」ができる**ようになります。また、自分の感覚を言葉で表現できるようになり、共感の基盤ができてきます。
この時期のようす
ポイント ごっこ遊びを通して、他の人の立場になってみる練習が始まります。「お母さん役」「赤ちゃん役」を演じることで、相手の気持ちを想像する力が育ちます。我慢ができるようになるのも、「相手の言うことを理解した」からです。
この時期のようす
ポイント **「認めてほしい」「褒めてほしい」**という気持ちが強くなります。これは相手がどう思うかを意識している証拠です。また、順番を待てるのは、相手にも順番があると理解できるからです。「くやしい」という複雑な感情もわかるようになってきます。
この時期のようす
ポイント 思いやりの行動が具体的にできるようになります。「あの子は悲しそう」「困っているみたい」と、相手の内面を読み取って助けようとします。グループ遊びの中で譲り合う経験も、共感力を育てます。
この時期のようす
ポイント 物語を聞いて泣けるのは、登場人物の気持ちを自分のことのように感じられるからです。これが真の共感です。「相手が困るからやめよう」と考えて行動できるようになり、弱い立場の人をいたわる心も育ちます。
この時期のようす
ポイント 相手の立場や状況に合わせて言葉や態度を調整できるようになります。これは高度な共感力であり、社会で生きていく上での大切な力です。社会的な出来事にも関心を持ち、自分とは違う立場の人にも思いを馳せられるようになります。
子どもは安心できる関係の中で相手の気持ちを感じ取る力を育てます。まずは親子の間で「わかってもらえた」という体験をたくさん積み重ねましょう。
「悲しかったね」「嬉しいね」と代弁してあげることで、子どもは自分の感情を理解し、やがて相手の感情も理解できるようになります。
ままごとやヒーローごっこなど、役になりきる遊びは共感力を育てる最高の練習です。一緒に遊んであげましょう。
登場人物の気持ちについて「どう思う?」と一緒に考えることで、他者の視点を取る練習ができます。
共感性の発達には個人差があります。周りと比べず、その子のペースを大切にしましょう。
| 段階 | 年齢の目安 | キーワード |
|---|---|---|
| 1 | 0〜3か月 | 人の顔に興味を持つ |
| 2 | 4〜6か月 | 表情の違いに気づく |
| 3 | 7〜12か月 | 親の感情を読み取る |
| 4 | 1歳〜1歳半 | 相手の反応を予測する |
| 5 | 1歳半〜2歳 | 自分と相手は違うとわかる |
| 6 | 2〜3歳 | ごっこ遊びで役を演じる |
| 7 | 3〜4歳 | 認めてほしい気持ちが育つ |
| 8 | 4〜6歳 | 思いやりの行動ができる |
| 9 | 6〜10歳 | 相手の立場に立てる |
| 10 | 10歳以上 | 相手に合わせて調整できる |
注意: これらは目安であり、お子さんによって発達のペースは異なります。「できない」ことを心配するより、日々の関わりの中で少しずつ育てていくことが大切です。