2026.11.05
「あと5分で出かけるよ」と伝えたのに、遊び続けている。
時計は読めるはずなのに、出発の時間になっても準備ができない。
何度も声をかけ、最後には「もう時間だって言っているでしょ!」と怒ってしまう。
そんな毎日になっていませんか。
ここで一度、分けて考えたいことがあります。
時計の数字を読めることと、残り時間を感じて行動することは、同じではありません。
「あと5分」と聞いても、その間に何ができるのか、いつ片づけ始めればよいのかが、まだつかみにくいことがあります。
時間どおりに動けないときには、いくつかの違った困りごとが考えられます。
同じ「準備しない」という姿でも、必要な手助けは変わります。
「わかっているのに、わざとやらない」と決める前に、どこで止まっているのかを見てみましょう。
言葉だけではつかみにくい場合は、残り時間を見える形にしてみます。
たとえば、残り時間に合わせて色の面積が減るタイマーや、砂時計などです。
「赤いところがなくなったら、おしまいだよ」
言葉と、目で見える変化を結びつけます。
ただし、タイマーを置けば必ず切り替えられるわけではありません。音を嫌がる子もいます。本人に合うものを選び、初めは大人も一緒に確認します。
「もう終わり!」だけでは、次にどうすればよいかわからないことがあります。
「これを箱に入れたら、靴下を履こう」
「動画が終わったら、トイレに行って出発だよ」
このように、次の行動まで具体的に伝えます。
言葉が多いとわかりにくくなる子には、「片づける→靴を履く」の写真や絵を並べる方法もあります。
一度に朝の準備を全部伝えるより、まずは一つずつ。お子さんが理解できる量に合わせます。
時間の説明だけでは動けないときには、「まだ続けたい」という気持ちにも目を向けます。
「もっと作りたかったね」
「途中だから、終わりたくないんだね」
気持ちを受け止めたうえで、必要な区切りを伝えます。
「続きができるように、ここに置いておこう。今は出かけるよ」
気持ちをわかることと、予定を際限なく延ばすことは別です。
出発までに余裕があるなら、「あと1個つけて終わる? 写真を撮って終わる?」と、選べる終わり方を用意することもできます。
全部一人でできなくても、
「タイマーを見られたね」
「声をかけたら、片づけ始められたね」
「続きはあとにして、靴を履けたね」
と、できた行動を具体的に伝えます。
うまくいかなかったときも、「次はもっと早くしなさい」で終わらせず、準備の量や声をかけるタイミングを見直します。
家庭で試すなら、まずは「朝の着替え」など、一つの場面からで十分です。
時間を守る力を育てるとき、最初から時計だけを頼りに動く必要はありません。
タイマーを使う。
手順を見える形にする。
大人と一緒に始める。
そうした手助けも、生活を進めるための方法です。
「何度言っても動かない」と感じるときには、声かけの回数を増やす前に、時間・手順・切り替えのどこが難しいのかを整理してみませんか。
発達支援教室クローバーでは、お子さんの理解の仕方や、ご家庭で困っている場面を踏まえて、関わり方を考えます。
うちの子の問題を整理したい方は、アセスメント&アドバイスへ。
参考:細井晴代『アマトレのすすめ』提供資料/『ちょっと気になる子どもの発達支援』出版企画書/Berkshire Healthcare NHS Foundation Trust「Communication, sensory needs, emotions, and behaviour」