2026.10.03
絵本を開いても、視線が合わない。
空を指差しても、親の顔を確認しない。
おもちゃで遊んでいても、「一緒に楽しんでいる」感じが薄い。
「この子と、通じ合えているのかな」——そのさびしさは、お母さんのせいではありません。
ここで大切になるのが、ジョイントアテンション(共同注意) です。発達の凸凹がある子の支援で、土台として何度も登場する力です。
共同注意とは、かんたんに言うと、
親と子が、同じものを見て、その注意を分かち合うこと
です。
たとえば、子どもが犬を見つけたとき:
この「物 ←→ 人」の行き来が、共同注意です。
心理学でも、コミュニケーションの基礎であり、言葉の発達にも重要だとされます。
「この子と通じ合えた」「やり取りできている」という感覚の、土台にあたります。
甘えや安心が育つと、共同注意も出やすくなる——というのが、甘えを軸にした支援の見立てです。
共同注意が弱いと、次が起きやすくなります。
逆に、共同注意の芽が出ると、
友達作りや集団の話の前に、二人で同じものを見る力があるかどうか——ここを見ると、焦りの方向が変わります。
共同注意は、「見て!」と命令して作るものではありません。
子どもがすでに見ているもの・触っているものに、親が乗るほうが続きやすいです。
興味が強いもの(車、キャラ、水など)から入る。
指差しが出にくい子は、親が先に指差さず、子の手元に言葉をのせるだけでも共同注意の入口になります。
共同注意が増えると、「通じ合い」の感覚が親子双方に増え、言葉や遊びの共有が少しずつ広がりやすくなります。人への関心や、並行遊びへの土台にもなります。
ただし、共同注意はスイッチのように一気に入るものではありません。子の発達段階・感覚・安心の量で進み方は違います。家庭だけで完成を目指すと、お母さんが疲れます。
「できている/できていない」で自分を採点しない。今日の1回の共有でいい。
「一緒に見られない」は、母子の愛の不足ではありません。
社会は「もっと関わりなさい」と言うだけですが、関わり方の地図がないまま量を増やすと、ループが回ります。
子どもを直す前に、お母さんが「通じ方の構造」を知ること。それが、自責を止める第一歩になります。
うちの子の「一緒に見る力」や関わりの段階を整理したい方へ
→ アセスメント&アドバイス