2025.10.06
「お友達のものを取っちゃダメ!」
何度言っても、また取ってしまう。
そのたびに謝ったり、子どもを叱ったりして、
「どうして分からないんだろう」
「何度教えたらできるようになるんだろう」
と困っている保護者の方もいらっしゃると思います。
でも、こんなときに大切なのは、
「取った」という行動だけを直そうとしないことです。
発達支援では、
なぜ、その子は友達のものを取ったのか?
を考えます。
例えば、お友達が使っているおもちゃを突然取ってしまったとします。
そのとき、
「人のものを取ってはいけません」
と教えることはもちろん必要です。
しかし、それだけでは行動が変わらない子もいます。
なぜなら、その子には、
など、別の理由があるかもしれないからです。
つまり、
「取らないようにさせる」だけでは、本人の困りごとは解決していない
ということがあります。
ABA(応用行動分析)というと、
「できたら褒める」
「できたらごほうびをあげる」
という方法をイメージされることがあります。
もちろん、できた行動を認めたり、良い行動が増えるように働きかけたりすることは大切です。
しかし、それだけでABAを行ってもうまくいかないことがあります。
大切なのは、
その行動がなぜ起きているのかを考えること。
例えば、
「おもちゃを取った」
という同じ行動であっても、
Aくんは「そのおもちゃが欲しい」。
Bくんは「お友達と遊びたい」。
Cくんは「順番を待つのが難しい」。
というように、背景は違うかもしれません。
背景が違えば、必要な支援も変わります。
友達のおもちゃを取ってしまう子に、
「取っちゃダメ」
だけを繰り返しても、
子どもにとっては、
「じゃあ、どうしたらいいの?」
が分からないことがあります。
そこで、具体的な代わりの行動を教えます。
例えば、
「貸して」
と言う。
言葉が難しければ、
「貸して」のカードを渡す。
大人と一緒に、
「かして」
と伝えてみる。
「終わったら貸してね」
と約束して待つ。
順番を見える形にする。
最初は10秒だけ待つ。
このように、
その子が今できる方法から練習すること
が大切です。
ここも重要です。
まだ待つ力が十分に育っていない子に、
「お友達が遊び終わるまでずっと待ちなさい」
と求めても、難しい場合があります。
まずは、
5秒待てた。
10秒待てた。
大人と一緒なら待てた。
「貸して」と言えた。
こうした小さな成功から始めます。
「できないことを何度も注意する」のではなく、
できる行動そのものを育てていく。
これが発達支援ではとても大切です。
友達のものを取ったり、叩いたり、順番を守れなかったりすると、
どうしても大人は、
「わがまま」
「乱暴」
「しつけができていない」
と行動を評価してしまいがちです。
でも、行動だけを見ていては、支援方法が見えてきません。
私たちが見たいのは、
その行動の後ろにある「まだ身についていない力」です。
言葉で伝える力なのか。
待つ力なのか。
気持ちを切り替える力なのか。
相手を見る力なのか。
遊びに入る力なのか。
必要な力を見つけて、一つずつ育てていきます。
ABAをやっているのに行動が変わらない。
褒めているのに変わらない。
ごほうびを使っているのに変わらない。
そんなときには、
「もっと強く注意しよう」
「もっとごほうびを増やそう」
と考える前に、
一度、
「そもそも、この子はなぜこの行動をしているんだろう?」
と考えてみてください。
行動の前に何があったのか。
行動のあとに何が起きているのか。
本人は何を求めているのか。
何がまだできないのか。
そこが分かると、支援方法が大きく変わることがあります。
発達支援教室クローバーでは、
「困った行動をやめさせる」
だけではなく、
なぜ、その行動が起きているのかを考えます。
そして、
「貸して」と伝える。
待つ。
気持ちを切り替える。
助けを求める。
友達との遊びに入る。
といった、これから必要になる力を一つずつ練習していきます。
「何度注意しても変わらない」
「家ではどう対応したらいいか分からない」
という場合には、子どもが悪いのでも、保護者の努力が足りないのでもなく、
今の対応と、その子が困っている理由が合っていない
可能性があります。
そんなときは、一度その子の行動を整理してみることをおすすめします。
「うちの子の場合はどうすればいい?」と思った方へ
同じ「友達のおもちゃを取る」という行動でも、
原因は一人ひとり違います。
発達支援教室クローバーでは、お子さんの様子を整理し、
・なぜその行動が起きているのか
・今、何を練習するとよいのか
・家庭ではどう関わればよいのか
を具体的にお伝えしています。
「一般論ではなく、うちの子の場合を知りたい」方は、
アセスメント&アドバイスをご利用ください。
こちらの動画もどうぞ。↓↓