2026.10.10
たくさん質問したり「言ってみて」と促したりしても、子どもとの会話が増えないことがあります。最新研究から、子どもの目線・表情・動きを発信として捉え、見る・待つ・短く返す関わり方を解説します。
「たくさん話しかけているのに、なかなか会話が増えません」
「これは何?何色?と言ってみて、と毎日声をかけています」
発達が気になるお子さんの保護者から、こうした相談を受けることがあります。
子どもの言葉を増やしたいと思えば、話しかける量や質問を増やしたくなるのは自然です。
しかし、コミュニケーションを育てるときに大切なのは、大人が話す量だけではありません。
子どもが出した小さな発信に、大人がどう応じるかが重要です。
2026年に発表された研究では、自閉スペクトラム症の幼児を対象とする18種類の保護者媒介型コミュニケーション支援が比較されました。
そこから70の支援技法が抽出されましたが、多くのプログラムに共通していたのは、
という関わりでした。
例えば、子どもが車のおもちゃで遊んでいるとします。
大人が、
「これは何?」
「何色?」
「車って言って」
「タイヤはどこ?」
と続けると、子どもは答えを求められる側になります。
これは知識を確認する練習にはなりますが、必ずしも双方向のコミュニケーションにはなりません。
子どもにとっては、遊んでいた時間が「正しく答える時間」に変わることもあります。
質問してはいけないわけではありません。
問題は、親子の時間のほとんどが質問と指示になっていないか、ということです。
子どもの発信は言葉だけではありません。
こうした行動にも、興味、要求、驚き、共有したい気持ちが含まれていることがあります。
例えば、子どもが走る車を見て笑ったら、
「速いね」
「走ったね」
「もう一回?」
と、短く返します。
子どもが「く」と言ったら、
「くるま」
「赤いくるま」
と少しだけ言葉を足します。
正しく言い直させる必要はありません。
家庭で意識するのは、次の3段階です。
子どもが何を見ているか、何をしているか、どんな表情かを見ます。
すぐに質問や指示を出さず、子どもが目線、声、動きで何かを発信するまで少し待ちます。
子どもの発信に合った言葉を、一言か二言で返します。
子どもが理解できる長さにすることが重要です。
3歳未満の自閉症児を対象とした31件のRCTをまとめた研究では、保護者を介した支援により、
には小さな改善が確認されました。
一方、言語能力そのものには統計的に明確な効果が確認されませんでした。
ですから、「この方法をすれば必ず話せるようになる」とは言えません。
しかし、
といった変化は、コミュニケーションの重要な土台です。
同じように言葉が少ない子でも、
など、背景は異なります。
必要な支援も同じではありません。
発達支援教室クローバーでは、発語の数だけでなく、目線、共同注意、模倣、理解、要求、遊び、感覚特性を整理し、その子に合う関わり方を考えます。
「話しかけても反応が少ない」
「何をどう教えればよいかわからない」
という方は、アセスメント&アドバイスまたは保護者伴走をご利用ください。
発達支援教室クローバー
https://hattatsu-clover.com/
※急激な発語の消失、聴こえの問題、発達の退行、けいれん等が疑われる場合は、家庭での関わり方だけで判断せず、小児科・発達専門医等への確認が必要です。