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2026.10.16

「時間が読めない」子どもとは?発達障害の子が時間感覚をつかみにくい理由

「あと5分だよ」と言っても伝わらない。

「早くして!」と言っても急がない。

朝の支度にいつも時間がかかる。

ゲームを始めると、いつまでたってもやめられない。

そんな様子を見ると、

「時計は読めるのに、どうして時間が分からないの?」

と思うことがあります。

実は、

時計が読めることと、時間を使えることは別の力です。

発達障害・発達特性のある子の中には、

「5分がどのくらいなのか」

「今始めないと間に合わない」

「この作業には何分必要なのか」

といった時間の扱いが苦手な子がいます。

「7時30分」が読めても、時間を使えるとは限らない

例えば、

時計を見て、

「7時30分」

と答えられる子がいるとします。

でも、

8時に家を出るためには、

着替え10分。

朝食15分。

歯磨き5分。

荷物の準備5分。

など、

「あと何分あるか」

「何を先にするか」

を考える必要があります。

これは単なる時計の読み方ではありません。

計画・見通し・注意・切り替え・作業時間の予測

など、複数の力が必要です。

理由①「5分」が体感として分かりにくい

5分という数字は分かる。

でも、

5分が実際にどのくらいの長さなのか分からない。

そんな子がいます。

楽しいゲームをしている5分と、

何もせず待っている5分では、

私たち大人でも感じ方は違います。

自閉スペクトラム症の時間知覚研究でも、時間処理の一部に違いがみられる研究があります。

ただし、すべての自閉症児に「時間知覚の障害」があるとまでは言えません。

特に複雑な時間管理には、認知機能や実行機能など複数の要因が関わると考えられます。

理由② 今していることから切り替えにくい

ゲーム。

動画。

工作。

電車遊び。

好きなことをしていると、

「もう時間だよ」

と言われても止められない。

これは、

「時間が分からない」

だけではなく、

今の活動から次の活動へ切り替える難しさ

かもしれません。

その場合、

何度も時計を見せるだけでは解決しにくいことがあります。

理由③ 先のことを想像するのが難しい

「今着替えないと遅刻するよ」

と言われても、

遅刻する未来が実感できない。

「明日の準備をして」

と言われても、

明日の自分を想像しにくい。

こうした「未来を見通す力」も時間管理に関係します。

目の前にあることの方が強く感じられる子では、

未来の予定より、

今していることを優先しやすくなります。

理由④ 作業にかかる時間を見積もるのが難しい

「宿題なんて5分で終わる」

と思って始めたら30分かかった。

逆に、

「絶対終わらない」

と思っていたら10分で終わった。

こうしたこともあります。

時間管理には、

「これは何分くらいかかる?」と予測する力

が必要です。

予測がずれると、

予定全体も崩れやすくなります。

理由⑤ 注意がそれやすい

着替えようとした。

途中でおもちゃが目に入った。

遊び始めた。

歯磨きに行く途中で本を見つけた。

読んでしまった。

この場合、

時間感覚だけでなく、

注意を目的に向け続ける力

も関係しています。

特にADHDでは、注意制御、ワーキングメモリ、抑制など実行機能の難しさが時間管理に影響することがあります。

「早く!」を繰り返しても分かりにくい

大人はつい、

「早くして!」

「時間ないよ!」

「急いで!」

と言ってしまいます。

でも、

「早く」は具体的な時間ではありません。

何を。

いつまでに。

どのくらいの速さで。

が分かりません。

そこで、時間を目で見える形にします。

家庭でできること① 時間を見えるようにする

例えば、

・タイマー
・砂時計
・残り時間が視覚的に減る時計
・予定表
・写真や絵のスケジュール

などを使います。

「あと10分」

という言葉だけではなく、

時間の減り方を目で確認できる

ようにします。

家庭でできること② 予告を入れる

突然、

「終わり!」

と言われると切り替えにくい子には、

「あと10分」

「あと5分」

「これが終わったら終わり」

と予告します。

重要なのは、

同じ方法を繰り返すことです。

家庭でできること③ 実際に時間を測ってみる

「着替えるのに何分かかると思う?」

と予想して、

実際に測ってみます。

予想10分。

実際5分。

という経験を繰り返します。

すると、

「自分が何をするのに何分必要か」

という感覚が少しずつ育っていきます。

家庭でできること④「○時まで」より行動をセットにする

「7時45分までに準備して」

だけでは難しい子には、

7:20 着替える
7:30 朝ごはん終了
7:35 歯磨き
7:40 ランドセル

など、

時間と行動をセットにします。

大切なのは「時間が分からない」の中身を見ること

「時間感覚がない」

という一言で終わらせると、支援方法が分かりません。

時間そのものが分かりにくいのか。

切り替えが難しいのか。

注意がそれるのか。

作業時間を予測できないのか。

未来を想像しにくいのか。

理由によって支援方法は違います。

まとめ

発達障害・発達特性のある子が時間を守れないとき、

「だらしない」

「やる気がない」

だけで説明しないことが大切です。

時計を読む力とは別に、

時間を感じる。

先を見通す。

行動を切り替える。

順番を決める。

注意を保つ。

といった力が必要です。

「時間を守れない」ではなく、「時間のどこで困っている?」と考えてみてください。

発達支援教室クローバーでは、日常生活の具体的な行動から、

「何ができていて、どこで止まっているのか」

を整理して支援方法を考えます。

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